神秘学を科学する 第1部
Scientific Mysticism Part 1
ウィリアム・ハンド
By William Hand
第5章 私たちとは何者なのでしょうか?
What Are We ?
まず第一に、カルマと生まれ変わりの法則に従って、選択して、私たちはこの人生を始めると多くの人が考えています。「現実は選択できる」ということを思い出してください。ソウルは各々の生まれ変わりのときに、宇宙精神を通して、量子的な選択を効率良く行います。その時には、これから先の人生のあらゆる可能性と、前の人生との相互作用が、ソウルに理解されます。それは、すべての可能性として存在している宇宙精神のおかげなのです。ソウルの力という高位の振動の量子的な立場になって、DNAや生命を構築する他の要素のような、いかに様々なものが表れなければならないかを、少しだけでも想像してみてください。
地上で生きている間に、私たちは絶えず自分自身の認識や現実を変えています。私たちは自分の意識が存在するところに存在し、私たちの体は、無数に多くの原子の精神から構成されていて、それが生きることを助けています。しかし、私たちが「自分の心を決める」とき、すなわちひとつの選択を行い、自分自身の認識に焦点を合わせるとき、私たちはQをRへと変えるのです。この最適な例は瞑想です。瞑想の際には、能動的瞑想であっても、受動的瞑想であっても、私たちは認識を変えようとします。自身の量子的な性質が理由で、私たちには認識を変えることだけができます。同様のことは投射にも言えます。それは実際に私たちの意識を拡大します。私たちがここでしていることは、ある心霊的な領域の、見込みある一点だけに、私たちの存在と経験の焦点を合わせることです。というのもQとして私たちは、そうありたいと思うもので既にあるからです。科学的に私たちは、ひとつの系(one system)、つまり宇宙の一部です。そこでは、観測する者と観測される物は、全く分離されていません。このことにより私たちは、視覚化という重要なテーマに導かれます。
私たちの人生で、何か必要なものを思い浮かべるときに起こることを分析してみましょう。私たちが最初にすることは、望んでいるもののイメージを心に描くことです。できるだけ正確に、そして、できるだけ詳細にこれを行ないます。本質的には、この段階では、脳の神経細胞間に潜在的な連絡を形成しています。すなわち、Qを(脳の中で)Rに変えています。しかし、次の段階では、この作った絵に、命とエネルギーを注ぎ込んで、視覚像をできる限り生き生きとしたものにしようとします。しかしそれはまだ脳の中での作業です。そして、「そのことを〈神/創造主〉が喜ぶのであれば、それはなされる」という確固とした信念のもとに、この生き生きとしたイメージを広大な宇宙に解き放ち、そして次に、それについては忘れてしまいます。そして、この最後の段階が成功の秘訣です。
イメージを形成すると、ある可能性の理解、Rが脳の中に生じます。それを解き放ち、忘れることで、生き生きとしたイメージのQの部分が宇宙精神の一部として広がっていくことになります。今、もしその望みが他の人による行動を必要としているなら、そしてその願望が「良いこと」であって、他の人にとっても有益なことであるならば、他の人に理解され、その人がそのことに影響を与え、その結果、望みは実現することになります。もし、その望みが単に利己的なものであるなら、他の人はもちろん、それを理解して拒絶するか、下意識でそれを全く理解しないかもしれません。言い換えれば〈宇宙〉が、どちらかの方向に心を決めるのです。
最後の実例は双子に関することです。双子の間には注目すべき事柄が起こっているという多くの記録があります。たとえばテレパシーや、同じような服を着たり、何キロも離れて暮らしているのに同じことをしていたりするといったことです。EPRパラドックスを思い出してください。双子は生まれたときに結びついているので、双子のうちのひとりがある選択をするなら、自動的にもう片方のために下意識で決定しているということは、私たちにとって、もはや驚くべきことではありません。同じ原理は、生活していて経験する偶然の一致にも当てはまり、私たちはそのような一致をいつもとても重要であると感じます。それは、次の言葉の本当の意味を知るからではないでしょうか? 〈すべての現実からなる世界〉は〈ひとつのもの〉であり、そして〈宇宙〉では、あらゆる〈存在〉は調和して一体になっている。
第2部では、科学的な観点から、愛が持つ力について検討することにします。
※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。