神秘学を科学する 第6部
Scientific Mysticism Part 6
ウィリアム・ハンド
By William Hand
第5章 〈意識〉の進化と目標
Evolving Consciousness and the Desire to Be
ここまでに述べたことをまとめてみましょう。
- ● 意識、すなわち何かに気づくことは、多次元空間内で「ひも」が振動することから生じています。
- ● 「ひも」の振動の原因となっている力は、「根源的生命力」(Vital Life Force、略してVLF)として知られていて、すべての次元で働きます。
- ● 「根源的生命力」の信号の強さは、個々の意識のレベルを決定します。しかし……
- ● 「根源的生命力」はまた、すべての次元と構造を超えて、ただひとつの〈意識〉を作り上げています。
別な見方をすれば、〈意識〉とは、個々の意識から構成されているひとつのシステムであり、その個々の意識は「根源的生命力」の強さがそれぞれに反映されたものになっています。たとえば、ある草が〈意識〉を構成するひとつの単位であり、ある水素原子も別の構成単位であり、そしてあなたと私も、さらに複雑ではありますが、〈意識〉の、また別の構成単位です。そして、全体としてこのシステムに寄与しているのは、個々の単位の意識だけではなく、それらの間の結びつきでもあります。
このシステムはおそらく量子力学的なものであり、ここでは、個々の単位が情報とエネルギーを交換することにより、実在が認識されて現実になるのと同じように、あるいは、量子学的な波動であるQが収縮して現実Rになるように、〈意識〉にある様々な側面が現実になります。〈意識〉は実現可能なあらゆる宇宙を含んでいるので、〈意識〉の表現には、無限の可能性があります。第1部でご説明した〈意識〉の量子学的な波動であるQは、可能なあらゆる宇宙と、そこにあるすべてのものを実際に表しています。こんな言葉があります。「存在には、始まりは決して無かったのである。」
ですから、〈意識〉の表現には無限の可能性があり、そのような〈意識〉は、「こうなりたい」という目標に向かって進化し続けていることが分かります。これが、生命の存在する理由であり、私たちがここに存在している理由なのではないでしょうか?
次の第7部では、人類に表現されている意識という話題に戻り、ソウルという概念について探究します。そして「死、すなわち転化では、身体には何が起こっているのか?」という疑問に取り組んでいきます。
参考文献
Stephen Hawking: The Universe in a Nutshell ISBN: 0-593-04815-6
(邦訳:「ホーキング、未来を語る」、スティーヴン・ホーキング)
Richard M Bucke: Cosmic Cons-ciousness ISBN: 0-525-47245-2
(邦訳:「宇宙意識」、リチャード・モーリス バック)
Danah Zohar: The Quantum Self
ISBN: 0-00-654426-6
ウィリアム・ハンド:「神秘学を科学する」第1部~第5部(本連載)
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