バラ十字会

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神秘学を科学する 第8部

Scientific Mysticism Part 8

ウィリアム・ハンド

By William Hand

第3章 生まれ変わり

Reincarnation

 地上に再び生まれることになる予定された時間が近づいたので、サイモンは思考を集中し、別れを告げました。彼の新しい両親、カールトン夫妻にとってのこの記念すべき誕生というイベントのために、そのとき、すべてが集中していました。両親はサイモンを育み、愛し、多くの機会を与え、世界の遠く離れた危険な土地で医者になるという使命を、彼がなし遂げるのを支援することでしょう。スーザン・カールトンは、どうしてもデボン州の居心地の良い自宅で生みたいと言い張り、大変な痛みに朦朧としながら、助産婦の「もう少しよ、頭が見えるわ」という声を聞いていました。そして、母は小さなうめき声を上げながら最後のひと踏ん張りをし、サイモン・カールトンはこの世界にやってきたのでした……。

時おり彼は、自分の部屋を見回したり、
ベビーベッドの上のおもちゃを見ること
ができたが、それ以外のときには他の場
所にいた。そこは、言葉に表せないほど
素晴らしい〈愛〉と〈光〉にあふれた場
所であった。この幼い子には、まだ別の
次元の自覚があった……。

 その数秒前、サイモンはとても強力な磁気の引力で、スーザンのほうへと引き付けられるのを感じました。その引力はここ9ヵ月の間にだんだん強くなっていたのでした。重力子が大量に交換され、生まれようとしている子供にサイモンのソウル人格を結びつけました。サイモン・カールトンが最初の息を吸ったとき、彼はまず意識を失い、そして“目覚め”、お乳を飲みたいと強く感じたのでした。何週間もの間、栄養と睡眠だけが彼の必要とするものであり、彼の関心のすべてでした。その後、彼の脳が成長と発達を遂げるにつれて、さまざまなイメージが意識の中にやってきましたが、そのイメージのほとんどは本当に奇妙なものでした。時おり彼は、自分の部屋を見回したり、ベビーベッドの上のおもちゃを見ることができましたが、それ以外のときには他の場所にいて、そこは言葉に表せないほど素晴らしい〈愛〉と〈光〉にあふれていました。この幼い子には、まだ他の次元への自覚がありましたが、数ヵ月が過ぎると、彼の根源的生命力(VLF)の物質的な側面が、目覚めているときの意識を再び支配し始め、この自覚は薄らいでいったのでした。

 その後かなりたってから、彼はバラ十字会に入会して、瞑想のテクニックを学び、再び自分の自覚を、目に見えない次元に広げていくことになります。やがてサイモンは、戦争によって荒廃したアフリカの地域で素晴らしい医者になりました。彼がなし遂げた主なことは、寛容であることを学んだことと、他の人がそうあって欲しいと自分が考えたことではなく、その人自身がどのような人なのかということに基づいて、人々を敬うことを学んだことでした。彼のカルマの袋は、とても軽くなっていました。このことは、とても貴重な人生の教訓でした。それによって、〈意識〉が広がり〈愛〉に囲まれて育つ、多くの機会を得ることができたからです。

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。