バラ十字会

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神秘学を科学する 第2部

Scientific Mysticism Part 2

ウィリアム・ハンド

By William Hand

第4章 〈愛〉(Love)とは何でしょうか?

What is Love?

 これは、非常に答えることが難しい質問であり、詩人や芸術家や神秘家たちが、何世紀もの間ずっと苦労している疑問です。しかし、私たちは誰でも、愛とは何であるかを知っていると感じています。愛に関するたくさんの有名なことわざがその証拠です。ここに、いくつかを挙げてみます。

愛は盲目である
Love is blind.
愛とはあふれるほどの輝きが満ちたものだ
Love is a many splendoured thing.
愛がこの世を動かしている
Love makes the world go round.
愛に限界はない
Love knows no bounds.
愛はうわべだけのものではない
Love is more than just skin deep.
愛はすべてに勝つ
Love conquers everything.
愛の泉は永遠に湧き出る
Love springs eternal.
分別がなくなったときに、愛は始まる
Love begins when judgement ceases.
愛は正直
Love comes straight from the heart.

 

 これらの言葉を分析して、何が出てくるかを考えてみましょう。まず第一に、「愛は盲目である」は、愛はカルマと同じように公平にふるまうことを示しています。「愛とはあふれるほどの輝きが満ちたものだ」は興味深いことわざです。愛とは“もの”であり、多くの種類の美しい表現を取ることができると考えているからです。「愛がこの世を動かしている」。私たちがこの言葉を文字通りに取らないならば、(重力という引力が愛の一種であるとすれば、私たちは、この言葉を文字通りの意味に取るべきです!)、世界はとても大きいので、それを動かすことができるものは、本当に強い力でなければなりません。

 次の「愛に限界はない」ということわざもまた、強い力を意味しています。「愛はうわべだけのものではない」は、物質が王として君臨する時代であっても、愛は物質的な表現を超越しているという認識であると私は思っています。「愛はすべてに勝つ」という言葉が語っているのは、愛は力強い回復を促す力であり、常に最後には勝利を収めると言っているように思えます。「愛の泉は永遠に湧き出る」は、必要なときにはいつでも、愛の力を使うことができるということを示しています。次のことわざは、私が個人的に好きな言葉です。「分別がなくなったときに、愛は始まる」ということわざは、心の抑制と先入観を捨てて、人々を判断することをやめれば、大きなうねりのように愛が湧きあがってくることを意味しています。それは、障害物が取り除かれた途端に、水が水道管からほとばしるのと同じです。最後は、「愛は正直」(訳注:直訳では「愛は心臓から直接に来る」)という有名なことわざです。とても甘ったるいバレンタインデーのカードから流行の歌まで、心臓と愛には結びつきがあると考えています。なぜそうなのでしょうか? 心臓というポンプには、愛とどんな関連があるのでしょうか? 

 私たちは誰でも、愛の物質的な側面を、異なった程度に経験して理解していますが、これらのことわざが教えてくれているのは、愛とは、それ自体の正しさにおいて、善のための強力な力であると、心の奥底で私たちが考えているということです。科学と神秘学を学ぶ人たちの両方が、このことについて調査を行うことができます。

 ※上記の文章は、バラ十字会が会員の方々に年に4回ご提供している神秘・科学・芸術に関する雑誌「バラのこころ」の記事のひとつです。バラ十字会の公式メールマガジン「神秘学が伝える人生を変えるヒント」の購読をこちらから登録すると、この雑誌のPDFファイルを年に4回入手することができます。