今日は、かなり固い話ですが、
お付き合いいただければ幸いです。
当会の国際大学には、
芸術、生態学、医学、古代エジプト学、
音楽、神秘主義哲学史、
物理学などの部門があり、
様々な研究が行われています。
そしてその成果は教材として会員に提供されるだけでなく、
公開講座や雑誌記事という形で、会員でない皆さまにも提供されています。
その一例として、
「古代エジプト人の神の観念と"異端者"アメンホテプ4世(イクナートン)」
という雑誌記事をご紹介させていただきたく思います。
よくテレビでも取り上げられる、エジプトの王(ファラオ)であったアメンホテプ4世は、
それまでの多神教を廃止して、一神教を打ち立てようとした人物です。
実は事情はそれほど単純ではないのですが、
大まかに言えばこの試みは結局のところ失敗に終わり、
アメンホテプ4世は死後に、既得権者であった多神教の神官たちによって、
歴史の記録から徹底的に抹消されることになります。
つまり、様々な神々が信仰されていて、そのそれぞれに捧げものと信仰が集まることは、
エジプトの旧来の宗教支配にとって、まことに都合がよかったのです。
一方でアメンホテプ4世の急進的な行動の背景には、
古代エジプトの最先端の人たちがたどり着いていた進歩的な哲学がありました。
彼らは、「神そのものには、人間に知ることのできる性質はひとつもない」
と考えていたのです。
この考え方は、現代でも、専門家以外にはほとんど知られていない進んだ観念です。
そしてこの謙虚な考え方からは、
「自身の神についての観念を人に押し付けてはいけない」という
賢明な行動規範が生じます。
エジプト新王朝時代に、宗教間の深刻な対立が極めて少なかったのは、
このことが背景にあると考えている専門家がいます。
もちろん、現代人は多くの点で、古代エジプト人より進歩しています。
しかしニュースで、世界中で起こっている悲しい出来事を見ると、
私たちには、古代エジプトに学ぶべき多くの点があるように思えるのです。
「古代エジプト人の神の観念と"異端者"アメンホテプ4世」↓
http://www.amorc.or.jp/misc/Akhnaton.html