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今回は、6歳になる少年の小さな冒険と、

ある出会いの話をお届けしたく思います。


お楽しみいただければ心より嬉しく思います。

 


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ビスケットとレモネード

     ~  ディーニ・ジェイコブ  ~

 

6歳になるエリックは、おませな少年で、

人生で一番重要なことを、すでに知っていました。


神さまに会いたい! 

神さまを見つける旅は長くなるだろうと知ってはいましたが、

エリックはめげることもなく、弁当箱に食べものを詰めて、

レモネードを何本か見つけ出してきて、

その全部を通学用の鞄の中に入れました。


そして、自信たっぷりに玄関を出て、

神さまに会うための長い旅を始めました。


エリックには知るよしもありませんでしたが、

彼が考えていたよりも、旅は、ずっと短いものになるのでした。


通りを3つ過ぎ、エリックは公園にたどり着きました。


そこのベンチには、老人が座っていて、

足もとにいる数羽の鳩たちにえさをあげていました。


エリックは、生き物の中では鳥が一番好きでしたし、

それどころか、鳥たちが耳を傾けてくれるときには、

いつでも歌を歌ってあげるのでした。


彼はベンチの端によじ登ると、遠慮がちに腰かけて、

足をぶらぶらと揺らしながら、

地面にまかれた豆をついばむ鳥たちを見て、楽しんでいました。


すべてが穏やかで、調和に満ちていました。


鳥たちが空腹のおなかにえさを詰め込んでいるのを見ていて、


やっとエリックも、食べもののことを思い出しました。


それに、考えてみれば、おやつを食べるのにちょうど良い時間でした。


弁当箱を開けて、一枚目のビスケットにかじりつこうとしたとき、

エリックは、老人がとてもお腹を空かせた様子で

自分を見ていることに気づきました。


そこで、何のためらいもなくビスケットを取り出して、

老人に差し出しました。


老人は感謝を表すと真剣なまなざしで受け取り、

ビスケットを食べながら大きな笑顔を見せました。


老人の顔に浮かんだ微笑みがとても素敵だったので、

エリックはもう一度その笑顔を見たいと思って、

レモネードを一本、老人に差し出しました。


老人は再びエリックに微笑みかけると、

その贈り物を感謝して受け取りました。


エリックは喜びに満たされました!

それからふたりは1時間ほど座って、

神さまに会いに行く旅のためのエリックの食べものを分かち合いました。


エリックは話しかけず、老人も黙ったままで、

ただ、ベンチに腰かけて、互いに時々、

気恥ずかしそうに微笑み合うのでした。


食べものはだんだんと少なくなり、

鳩も餌を与えてくれる人のいる他のベンチのほうへ行ってしまいました。


まだ午後の半ばでしたが、エリックはお茶の時間までには

家に戻らなければならないことがわかっていました。


そこでエリックは立ち上がると、2、3歩後ろ向きに歩いてから、

少しだけ手を振って、老人に挨拶をして、

くるりと向きを変えて走り出しました。


ところが、突然エリックは立ち止まって振り返ると、

老人のもとに一直線に走って戻り、その腕に飛び込んだのでした。


やさしい気持ちがふたりの間にあふれて、

長いこと互いに抱き合っていました。


けれども、ママがすぐにも心配し始めることが分かっていたので、

エリックは、今度こそ本当に帰る時間だと考えました。


そこで、元気に手を振って、2、3歩後ずさりながら、

はにかんだ声でさようならを言って、真っ直ぐに走り去っていきました。


老人はエリックに、さっきよりもっと大きく微笑むと、

頬に涙を伝わらせながら静かにさようならとその唇を震わせました。


エリックが家のドアを開けた時、

母親は、エリックの顔に浮かぶ喜びを見て驚きました。


エリックは、そばにいて、いつでも楽しそうにしていましたが、

これまで一度も、これほど幸せそうなエリックを見たことは

ありませんでした。


「午後ずっと、どこへ行っていたの?

ちょっと心配し始めていたのよ。

何か、うれしいことがあったの?」


エリックは顔を輝かせながら答えました。


「神さまと一緒にお昼を食べたよ。」


そして、母親が口をはさむ前に続けました。


「神さまは、鳥にとってもやさしくて、すっごく大きな笑顔なんだ。

ママ、僕、神さまが大好きだよ。」 


一方、通りを何本か隔てたところに住んでいる老人は、

結婚して60年になる愛妻のエルザとともに暮らしている、

小さなアパートに戻りました。


エルザはすぐに、何かとても重大なことが起こったのに気づき、

彼の腕を優しく撫でると、それを話してくれるかどうかと

尋ねました。


「ちょうど今、話そうと思っていたところだよ!」


老人はそう返事をすると、頬に涙を伝わらせながら、

公園のベンチで起こったことを詳しく話し始めました。


「分かるだろ、今日、私は神に、本当に出会ったのだと思う......。

神は、考えていたよりも、はるかに幼かった。」


ふれあいや微笑み、やさしい言葉、

耳を傾けること、素直な敬意、

ちょっとした気づかい。

私たちは、あまりにもしばしば、こういったことの力を、

みくびってしまいます。


そのすべてに、人生をまったく変えてしまう力があります。


何らかの理由があって、しばらくの間であったり、

あるいは一生の間であったりしますが、

私たちが、人生で出会う人たちがいます。


そんな全ての人々を、同じように、包みこむように受け入れましょう!

 

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「人間よ、おまえは何者なのか。どこから来て、どこへ行くのか」

人生について、心の底から納得したいとお思いではないでしょうか。

あなたと同じようにそう思われていた方々が、

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  世界平和のための瞑想  

「PAIX」は平和を意味するフランス語です。

 

 

6月の第4日曜日は、バラ十字会の「世界平和祈願の日」に定められています。


そこで今回は、バラ十字会のフランス本部代表の

セルジュ・トゥーサンの書いたブログ記事、

「Méditation pour la paix」(平和のための瞑想)を

ご紹介させていただきたく思います。


下記記事をお読みいただき、

そこに紹介されている世界の平和へ貢献するための瞑想を、

あなたにも行っていただければ心より嬉しく思います。


▽ ▽ ▽


「平和のための瞑想」 -セルジュ・トゥーサンのブログ

http://www.blog-rose-croix.fr/

2012年6月1日記事より


皆さまもご存知のように、人類の歴史では多くの戦争が繰り返されていて、

多数の大人や子供たちの命が奪われただけでなく、

さらに多くの人が、負傷したり、心に傷を負ったりしています。


幾世紀にもわたって戦争は、肉体的にも精神的にも人間を苦しめてきました。


都市全体が破壊された場合もありますし、そうでなくても、

多くの建築が失われ、その一部は人類の至宝ともいうべき傑作でした。


エルサレム神殿、アレクサンドリアの灯台、バビロニアの庭園などが

もし破壊されていなかったら、どれほど素晴らしかったことでしょうか。


20世紀には、極めて破壊的で、多くの国々が関与した世界大戦が二度も起こりました。


残念なことに、21世紀初頭になった現在でも、世界平和が実現される見通しは立っていません。


政治、経済、宗教、倫理感の違いなどが理由で、世界中で人々が殺し合っています。


国連やユネスコのような機関が、戦争を終わらせる可能な様々なことを行っていますが、

期待されるような成果は上がっていません。


憎しみや恨みや他の人を否定することにおいて理性を失ってしまった個人や集団に、

本来持つべき理性を取り戻させることほど難しいことはありません。


平和はおそらく、最も人道的な理想です。


というのも平和は、人種や国家や宗教や社会的な地位にかかわらず、

あらゆる人の幸せに必要な事柄だからです。


平和を維持したり取り戻したりするためには、

政治と外交で可能なすべてのことを行わなければなりませんが、

同時に私たちには、精神の高次の力を使った作業を行うことができます。


このことは、バラ十字会員の多くが日頃から行っていることです。


肯定的な目的のために思念が使われた場合には、

創造的な力を発揮できることを心得ていてください。


思念のエネルギーを、特定の目的のために作動させるテクニックを使って、

調和と友愛を促し、平和のために貢献することができます。


もし、世界平和への奉仕として、精神の高次の力を使った作業を行うことを

あなたもお望みならば、以下の瞑想を定期的に行うことをお勧めします。


この作業は一日のうちのどの時間帯に行ってもかまいません。


この作業を頻繁に行えば行うほど、思念は、より強力で具体的になり、

人類の集合意識に働きかけ、

個人の心の平安、集団における平和の実現に貢献することができます。


▽ ▽ ▽


瞑想の方法:心地よく椅子に腰掛けて、背筋はまっすぐに伸ばしてください。


両手を膝の上に置き、足の裏は床に着け、両足は少し離します。


この姿勢のまま、両目を閉じて、リラックスするために、しばらくの間深呼吸を行います。


次に、あなたが宇宙空間にいて、そこから地球を眺めているところを思い浮かべてください。


地球がゆっくりと自転しているのを見てください。


大陸や海などが次々に現れてきます。


このように私たちの惑星を思い浮かべながら、地球の上方の宇宙空間に、

「平和」という文字が、明るい光で書かれているのを思い浮かべてください


その「平和」という文字から光が放たれて、地球を照らし、

この惑星の上に住んでいるすべての人の心を落ち着かせているのを思い浮かべます。


次に、あらゆる人種、あらゆる民族、あらゆる国々の男女が、

若い人も、老いた人も、子供も、笑顔を浮かべていて、

互いを声を掛けあい、助け合っているところを思い浮かべます。


2分ほど、この光景を心の中に思い浮かべたら、

瞑想を終わらせて、日常の作業に戻ってください。


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この記事の例でもご理解いただけることと思いますが、

瞑想などの神秘学の技法を学ぶことで、

自身だけでなく、広く周囲の人たちの役に立つ力を身につけることができます

下記をご参照ください↓

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アメンホテプ4世と古代エジプト最先端の哲学

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潮の満ち引き、月の影響を日常生活に活用する

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スロバキアのある物語|言葉と歌の力とワインにまつわる逸話

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先入観なく人生を理解する

 みなさんは、ゴールデンウィークに、

ご旅行の予定はおありでしょうか。


私は、残念ながら仕事の予定が詰まってしまっているのですが、

旅はほんとうに楽しいものです。


旅の醍醐味のひとつは、

未知の世界や人との新しい出会いがあることではないでしょうか。

エラ・ウィルコックス
そこで今日は、「未知の世界」という題名の

美しい詩をご紹介させていただきます。


20世紀初頭に世界中で絶大な人気を誇った米国の詩人、

バラ十字会員でもあった、エラ・ウィーラー・ウィルコックスの作品です。

皆さまの人生のヒントにしていただければと思います。

 

 

「未知の世界」 エラ・ウィーラー・ウィルコックス(1902年)

"The Undiscovered Country" by Ella Wheeler Wilcox, 1902


人間は、あらゆる国を隈なく探検し、

この地、かの地の秘密を手中に収めた。

人の世が、今なお頂点に達してはいないのに、

卵形のこの地球は、鋼の帯に縛られ、

海はといえば、あらゆる岸に停泊する多くの船に蹂躙され、

雄々しく凛々しい自然の威力も、

人間に屈して、その秘密を永遠に明け渡し、

命じられるままに、下僕のように急かされている。

今でも、人は、あちこちの岸を遠くまで調べるが、

見知らぬ領土も、測られていない平原も、

手に入れ支配できるものは、もはやどこにもありはしない。

だが、探査すべき領域が、ひとつだけ残されている。

行け、汝自身を知れ、おお、人間よ! 手つかずの地へ、

汝の魂という未知の世界へ!

 

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東京板橋では、ちょうど桜が満開です。

春のこの時期は、道ばたのそこここに、

新芽や、新しい花や、小鳥をみることができ、

空気が新鮮な気で満ちているように感じます。

 

はつらつと生きるこのようなときこそ、自然から新しい気を取り入れて、

はつらつと生活していくための助けとしてはいかがでしょうか。

 

私たちは、食べ物を消化し、肺から取り入れた酸素を使って、

体内で燃焼(酸化)させることによって、

生きるためのエネルギーを得ています。

 

ですから、バランスの良い食事を心がけて、食べものを良く噛み、

深呼吸をすることは、とても大切です。

 

この基本に加えて、さらにプラスになる、ちょっとしたヒントをご紹介したいのです。

 

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、

日本古来の方法で、「ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ」と数を数えるとき、

それぞれの数は、「火、風(空気)、水、世(土)」という意味を持ち、

この4つは古代ギリシャ哲学で、四大元素と呼ばれているものと対応しています。

 

「火」の話は、今回は置いておくことにしますが、

「空気、水、土」は、私たちが心と体をリフレッシュするために活用することができます。

 

いわゆる「気」とか「生命力」と呼ばれるものには、

プラスとマイナスの性質のものがあると言われています。

 

プラス、マイナスといっても、どちらが良いとか悪いというわけではありません。

どちらも、私たちにとって必要なものです。

 

そして、プラスの生命力は主に「空気」に含まれ、

マイナスの生命力は主に「土」(大地)に含まれているとされます。

また、どちらの生命力も「水」に吸収されやすい性質があるということが

古代から伝えられています。

 

そのため、パワースポットと呼ばれる場所の多くは、このうちの「水」に関連しています。

 

(これらの詳細は、私たちがご提供している

通信講座の8~11ヵ月目の教材で検討される内容です。詳しくはこちらをご覧ください↓)

週30分、自宅で学ぶ、あなたの人生を変える方法 -学習コースのご案内

 


そして、「空気」、「土」、「水」に含まれるエネルギーを、

実際に役立てることができるということを、

あなたにも実感していただきたいのです。

 

機会があるときに次の3つを試してみてください。

そして、自分の体と心に起こる変化に注目してみてください。

はつらつとした気分、生き返ったような感覚が得られることと思います。

 

1.靴下を脱いで、素足で土に直接触れられる野原などを歩いてください。

 

2.露に濡れた早朝の草むらを、やはり素足で歩いてみてください。

 

3つめは、毎日行なうことができます。

 

3.朝起きたらすぐ、何回か深呼吸をしてください。

その後、小さなグラスに一杯ほどの冷たい水を飲んでください。

 

ぜひ、試してみてくださいね。


 

あなたの人生を変える方法 ~人生の意味を見出す5つの鍵~

 

春分の日を一年の始まりとし、

冬が春と交替する日であると考える習慣は、

古代エジプトや古代バビロニアにまで、さかのぼることができます。

 

北半球のこの時期には、長い冬の休息が終わり、

若々しい動植物の姿が、自然界のいたるところにあふれます。

 

そして、古くなった物事に別れを告げて前に進みたい、

新しいことを行いたいという促しが私たちを満たします。

 

長い冬の休息が終わり春が訪れる

 

様々な神秘学派でこの時期に、

新年を祝う美しい式典が行われていました。

 

バラ十字会でも、春分の日を新年の始まりとして、お祝いをする習慣があります。

 

昨年は震災の影響で、新年を祝うこともできなかったのですが、

今年は、穏やかな、心安らぐ年であることを願って祝いたいと思います。